世界的企業はいかにビックデータを活用しているのか

四半期決算を前にして売上成長に悩む企業も多いのではないだろうか。
12月13日発売の新刊『SALES GROWTH』(TAC出版)には、世界最大のコンサルティングファームであるマッキンゼーの現役コンサルタントが総勢200以上の現場のトップリーダーや営業幹部に取材し、明らかになったセールス・エグゼクティブが実践する戦略を5つに分けて詳しく記している。
そのうち1つの目の戦略「一番乗りで成長する」では、「ビックデータ」から成長を導き出す方法について取り上げている。ここからは、本書で紹介される各社のビックデータ活用例を一部紹介してみよう。

ビックデータの源泉すべてから汲み上げる(Google、NIKEの例)

たとえばGoogleが目を付けたのは、驚くことに「文字の色」だった。
同社が提供するフリーメール・サービスのGmailとGoogle検索では、広告リンクはどちらも青だが、色が微妙に異なっている。そこで、ユーザーのクリック率が最大になる色を求めて、青系の色をまんべんなく網羅する40種類を用意し、テストを行った。それを検索結果ページの1%に適用して比較したところ、緑系よりも、紫系で青に近い色が好まれることがわかった。その結果をページ全体に採用したところ、収益は2億ドルも向上した。

またスポーツ関連用品を扱うNIKEは、素材や色、スタイル、サイズなどを選んで顧客自身がシューズや衣類、アクセサリーなどをデザインできる「NIKEiD」というサービスを行った。このサービスはインターネットでも話題を呼び、カスタマイズ製品を注文できる旗艦店には多くの人が集まった。このサービスによってナイキは顧客と直接エンゲージし、顧客の好みに合った製品を提供できるようになった。
また、ナイキはこれらのデータを精査することで、顧客ベースの分析にとどまらず、未来の製品デザインの土台づくりにもいかすことになった。

2社の例を読んでみると、有益な知見や競争優位性は意外なところからも得ることができることが理解できる。

ビックデータを活用して営業利益率をあげる

ビックデータは、その名の通り大きなトピックだ。
ビックデータをあらゆる面から活用できれば、営業利益率を8~25%も高められると言われている。今まではAmazonやGoogleといった時代の寵児的存在の企業での取り組みばかりがクローズアップされてきたが、見方を変えてみれば、あらゆる業種のあらゆる企業が成長の足がかりにできることが最大の魅力である。後者のNIKEの例をみればわかるように、販売チャンスを得られるか否かはただひとつ、高品質の分析から知見を引き出す能力だけだと言える。
もしも今、ビックデータが営業の役に立つのかよくわからないと思っているなら、危機感をも持ったほうがいいと、著者のコンサルタントは明かしている。

本書には、他にも世界的企業で実践されている5つの戦略例が多く取り上げられている。来年度の営業戦略を立てるに当たって、本書を読み、売上成長の鍵を見つけてはいかがだろうか。

SALES GROWTH

世界のセールス・エグゼクティブが伝える
5つの実績ある戦略